令和2年1月より、整形外科外来においてPRP療法による再生医療を開始しました。
メジャーリーガーなどスポーツ選手のケガの
新しい治療法として、いま大変注目されている
再生医療(PRP療法)ですが、この治療を受け
られる病院は、山梨県内では数が限られています。
また、全国57病院あるJCHOグループの
なかでも初めての導入となります。
「関節に慢性的な痛みがある…」(変形性膝関節症等)
「スポーツなどで筋肉、靱帯等を痛めてしまった…」
「できるだけ手術はしたくない…」
こんなお悩みを抱えている方へ、PRP治療をおすすめします。
手術をせずに、日帰りで治療ができます。痛みに悩んでいる方は是非ご相談ください。
治療の概要は、下のイラストをクリックしてご覧ください。
再生医療(PRP療法)とは
再生医療とは、ケガや病気で失った機能を従来の医療ではなく、加工した細胞や組織・血液等を用いて私たち人にもともと備わっている「治る力」を増大させて治療する方法です。
なかでもPRP治療は、患者様ご自身の血液から作製したPRP(多血小板血漿)を患部に注射する治療です。 血液の中には、傷を治す働きを持つ「血小板」という成分があります。この血小板を高濃度に凝縮し活性化させたものがPRPです。PRPにはたくさんの成長因子が含まれていて、細胞の成長を促進する力があり、人の本来持っている治癒能力や組織修復能力・再生能力を最大限に引き出すことが示唆されています。
「従来の保存的治療では症状が改善されない…」
「手術の決心がつかない…」
などでお悩みの方にとって、保存療法と手術療法の中間的位置付けとしての治療になると思われます。
再生医療(PRP療法)の安全性について
再生医療を行う病院は、「再生医療等の安全性確保等に関する法律」(2014年施行)により、厚生労働省への届出が義務づけられるなど、一定基準の安全性の確保が図られています。
当院では、同法第40条第1項の規定に則り、特定細胞加工物製造届出を行い、細胞培養加工施設としての認可を受けました。
また、第三者委員会による「再生医療等提供計画」の審査を経て、関東信越厚生局へ届出し、受理されました。
これにより当院において、
・再生医療第2種・PRP(多血小板血漿)を用いた変形性関節症治療(関節内投与)
・再生医療第3種・PRP(多血小板血漿)を用いた整形外科領域における軟部組織治療(筋腱内投与)
を行うことが可能となりました。
治療方法について
本治療では、人への治療に使用することが認められた医療機器である本治療専用の遠心分離機と専用チューブを用います。治療に使用するキットについては患者様とご相談、同意を得た上で決定します。
(治療の流れ) 採血 ⇒ PRP抽出 ⇒ 施術
本治療は予約制となります。
また、PRP療法は保険診療適用外となり、自費診療となります。
○関節腔内への注入 ・次世代PRP 1回260,000円(税別)
○関節腔内への注入 ・PRP 1回100,000円(税別)
○筋、腱、靭帯への注入 1回100,000円(税別)
治療の効果とメリットについて
・患者様ご自身の血液を用いる為、感染やアレルギー反応などの副作用のリスクがありません。
・自己血液から簡便に調整ができ、日帰りでの処置が可能です。
・採血と注射で完了する治療なので、年齢の上限制限はありません。
・治療痕が残りにくく、何度でも治療を受けることができます。
・1回の投与で修復作用が上手く働けば、痛みの軽減や機能改善に対する長期的な効果持続が期待できます。
(海外の臨床試験にて、GPSⅢ システムでは最大で6~12ヶ月、APSキットでは最大で24ヶ月効果が持続していたとの報告があります)
治療の欠点と副作用(デメリット)について
・患者様ご自身の血液を使用するため体調や年齢などに左右され、場合によっては安定した効果が出にくいといった欠点があります。
(治療効果・効果の持続期間には個人差があります)
・施術時、患部への注入には痛みを伴うことがあります。
・採血部位・治療部位に皮下出血が起こる場合があります。
※注射による腫れ・痛み・熱感・内出血など生じる恐れもありますが、一時的なものです。
治療に関する問合せ先
患者様の痛みに合わせた治療法をご提案します。
慢性的な痛みにお悩みの方、治療に関してもう少し詳しくお知りになりたい方は、当院整形外科までお気軽にご相談ください。
問合せ先: 独立行政法人地域医療機能推進機構 山梨病院 整形外科
TEL:055-252-8831(内線1150)